お知らせ

奈良県立医科大学に見学行ってきました」

2023/01/20

令和4年10月4日(火),5日(水)14:00~16:00の2日間に渡って、中和地区障害者自立支援協議会就労支援部会で、奈良県立医科大学の企業見学会を開催いたしました。

10月4日(火)12名、10月5日(水)10名と多くの部会員に参加していただきました。

(行政機関、養護学校、福祉サービス事業所(移行支援、A型、B型)、障害者職業センター)

企業見学会の目的として、障害者雇用をされている企業における実践について学び、障害者雇用を支えるための仕組みを考える上で、支援機関それぞれの立場として

担える役割を検討すること、働かれている障害のある方が、働き続ける上でどのような想いで働いているのか、どのような工夫をされているのか、支援者に期待する

ことは何かを学び、個々に合った働きや暮らしを支える仕組みについて検討することを目的に実施いたしました。

  前半は、実際取り組まれている業務を障がいのある方から指導を受け、作業体験を行いました。

 

【タオル折り体験】

髪の毛や汚れがないこと、タオルのほつれがないことを確認し折っていきます。所定の折り方で10枚1セットを作ります。10枚1セットを

丁寧に袋に入れ包装し完了。所定の箱に入れて1セットが終了となります

 

【ポリ袋のチャックを開け、また袋に戻す仕事の体験】

薬剤師の方などが薬を入れるのにすぐに包装できるように下準備をする仕事です。薬だけでなくほかの用途にも使用することもあるそうです。

100枚のポリ袋を取り出し、全ての袋のチャックを開け元の袋に入れなおします。

 

 

【その他見学させていただいた仕事内容】

・手術で使用するシーツを指定の大きさに切り揃える仕事

・ドクター宛てに来た講演会出演などのメールを仕分ける仕事

 

【対談形式での講演】

岡山様より、これまでの雇用の経緯や雇用管理等についての報告等と障害者雇用として働いている方より、

質疑応答を通してどのような想いで働かれているのか、対談形式で行いました。

 

障碍者雇用推進マネージャー:岡山弘美氏

○岡山様への質疑応答

「障がい者雇用で雇用したスタッフは具体的にはどのような業務に従事されているのですか?」

一番の基本業務はタオル折りをしていただいています。1時間に100枚、一日600枚を目安に採用を行っていますが、体験や実習期間で

1日600枚のタオルを折れなかったから不採用とするわけではありません。他の業務としては薬を入れる袋のジッパーを開ける作業、

ドクターに来た講演会出演依頼をまとめる作業、手術で使用するシーツの切り抜き作業、病棟に行きベッドメイク作業などを行います

 

「普段コミュニケーションを図る上で、どのようなことを心掛けておられますか?」

特に特別なことはやっていません。何かあったら素直にありがとう。とすいません。と言うことは大事にしています。あとは任せています。

最初は出来ません。そんなことをしてもいいんですか?とよく言われました。今まで生きてきた中で認められてきたのが少ないんじゃないかと感じました。

それが積み重なって柔軟に対応出来るようになってきたのかな。と感じています

○係員への質疑応答

「ここに就職することになった決め手、理由はなんですか?」

【係員:Aさん(精神障害)の回答】

就ポツから医大での障碍者雇用があるから実習行ってみますか?と言われ2週間の実習に行き、ここで働きたいと思いました。

実習で担当したのはタオル畳みと、単発の仕事を受け持ちました。

【係員:Bさん(知的障害)の回答】

高等養護学校の進路の先生から医大の障碍者雇用を勧められ、実習に来ました。

3週間くらいの長めの実習をさせていただき、タオル畳みや病棟を回りました。そこでここでなら働けるなと思いました。

【係員:Cさん(発達障害)の回答】

就ポツから医大の障碍者雇用の実習はどうですか?と言っていただき実習に来ました。

実習の時は全くできていませんでした。不合格だろうなと思っていましたが合格をいただきました。

仕事の内容を覚えるのが大変で、毎日が必死でした。

 

「養護学校の先生からの質問・学校で最低これくらいは身に着けておいて欲しいことはありますか?」

・【係員:Aさん(精神障害)の回答】

社会人としての最低限のマナーは身につけて欲しいです。

・【係員:Bさん(知的障害)の回答】

他の方とのコミュニケーション力を身につけて欲しいと思います。

・【係員:Cさん(発達障害)の回答】

養護学校の生徒さんの実習担当させていただいていますが、皆さん頑張ってくださっているので僕からは特にないです。

「長く続ける工夫でやっていることはありますか?」

・【係員:Aさん(精神障害)】

与えられた仕事はきっちりこなして、分からないことや問題が起きたときは聞くようにしています。

・【係員:Bさん(知的障害】

報告連絡相談はきっちり行うことをやっています。

・【係員:Cさん(発達障害)】

集中力を切らさないように栄養ドリンクを飲んでいる。

訪問させていただき最も驚いたのが、管理者(岡山様)がその場に居らず指示もなく仕事が回っていたことです。

自分たちで考え行動を起こす。それをまた新しく入ってきた係員へと引き継いでいく。障がい者手帳というハンデを持ちながら

健常者でも問題視されている指示待ちをすることなく、自分たちで考え仕事として行動する柔軟な思考力に感心いたしました。

障がい者雇用スタッフが、新しい障がい者雇用スタッフを教育していく。障がい者雇用に限らず、どの職場でも見直さなければ

いけないシステムだと感じたと同時にこのシステム作りにどれだけのエネルギーが注がれているのかを実感した体験会でした。